ムダな時間よ、永遠に!
夏から秋へ季節がうつってゆく。思えば今年の夏は暑かった。各地で記録を更新していった。夜寝る時もクーラーのスイッチをなかなか切ることのできない日が続いた。こんな暑い日にどうして仕事なんかせなあかんねんとブツブツ文句を言ってたのは、わたしだけだっただろうか。そういうことを考えていると夏はあまり歓迎されない季節かもしれない。でも、子供たちにとってはそうではないようだ。
今年も教会のキャンプがあった。海だ。よい天気に恵まれた。キャンプは暑ければ暑い方がいい。ひろ~い海の中でおもいっきり遊んでいる真っ黒な子どもたち。勉強のことなんかすっかり忘れている。そして、子どもたちを見守っている真っ赤なリーダーたち。体はヒリヒリするけれど、元気な子供たちを見ててとても満足だ。子どももリーダーもまた一つ大きくなったことだろう。夏は草木だけでなく人間ものばしてくれる。
そんな夏をムダにしている人がいる。いや、立場を変えると、そんな夏がムダなのだ。たくさんの時間がまとめてとれる夏にこそ、集中して勉強しなければならないのだ。たった2、3日のキャンプもムダという。一日勉強の手を休めると一週間は何も手につかないからだという。現実社会のことをよく知っている(?)親たちが愛情を持って(?)子どもたちに今の社会の厳しさを教えようとする。でも、いったい何の社会の厳しさなのか。
世の中、益々合理的になっている。時間を節約し、有効に利用する。それはとてもいいことだ。しかし、「ムダな時間」を少しでも多く取るためのものであるかぎりにおいてである。「ムダな時間」がなくなれば、人に出会うことも、ましてや神さまに出会うこともなくなってしまうのではないかしら。
神田裕
玉造教会シャローム(1990/09)
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