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2000年12月 1日 (金)

何を待ちますか?

何週間から前から教会の敷地内の東屋にごみやタバコの吸殻がやたら散らかっているのが気になっていました。しばらく様子を見ているとそのワケがわかりました。夜な夜な近所の高校生らしき若者達がこっそりひっそりと教会の中でたむろしてたのです。

かなんなぁ。難儀やなぁ。気安く教会を出入りしてくれるのはいいがタバコを吸ってたむろされてはたまらない。注意して追い出そうか。どうしようか。相手は茶ぱつや金髪にピアス。おまけに体もデカイ。勇気がいる。

でも思い切って声をかけてみた。そしたら「おっちゃん誰や」と言われてナメられました。1回戦敗退。しばらく様子を見てまた「タバコは吸うな」と言ってみた。「はいはい」と言って簡単にカワされました。2回戦失敗。またしばらく様子を見て今度は昨晩に残していった彼らの散らかしたゴミやタバコの吸殻を集めて彼らの前に投げつけ「おまえらナメとんか」と思わず大きな声で怒鳴ってしまいました。どうしよう。カカッテクルかなぁ。・・・と思ったら、タバコを吸っていた彼らの手がピタッと止まった。「今日は出て行け。1週間立ち入り禁止や。1週間後にもう一回ここへ来い。そして話ししょ」と続けざまに言ってみた。私自身、本音を言うと「もう来んでもええ」と思っているのに、なぜか口から出てきた言葉は「1週間後にもう一度ここへ来い」だった。彼らは大人しく教会から出て行った。

それから1週間待ちました。「彼らちゃんと来るやろか」「もうけぇへんのとちゃうかな」とか何とか、気になって仕方がなかった。「来てくれるな」という思いはもうなくなり、彼らが来ることをいつの間にか待っていました。「何でこうなってしもたんやろ」とふと考えてみました。それは・・・彼らの目を見たからでした。たちの悪い不良たちの目はよくみると純粋な子供の目をしていました。

1週間後に彼らは来ました。とてもうれしかったです。待ったかいがありました。話をしました。教会でたむろしたかったらボランティア・クラブを作れといいました。そしたら彼らは「ヒマジン・クラブ」という名前を付けました。中身はこれからです。

21世紀の始まりに神戸は震災7年目を迎えます。これまで大人たちが乗り越えてきた「まちづくり」は彼らが引き継いでくれなあかんのです。祈るような気持ちです。

もうすぐクリスマス。キリストの誕生をひたすら待つ待降節。ところであなたは何を待ちますか?

神田裕
テレフォン・サービス (2000/12)

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