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2006年5月 1日 (月)

ブルーシート

大地震があった。まちが潰れて燃えた。すべてなくなった。

次の日から数え切れぬほどのボランティアの人たちが来てくれた。若い人たちが多かった。救援基地が立ち上がった。寝泊りしながら活動を続けてくれた。がむしゃらにがんばった。2,3ヶ月たったころ悩み始めた。「僕ら遠いところからやってきた。力仕事を手伝った。でもほんとに役に立っているんだろうか?」。

ある日、避難所に行かず崩れかけの家でがんばっているおじいちゃんから連絡が入った。雨漏りするから直してくれと。何人かが駆けつけた。彼らは戻ってきてから言った。「もうおじいちゃんのところには行かない!」と。あれこれとうるさかったらしい。また雨漏りがすると連絡が入った。仕方がないのでまた行った。作業が終わればまた行きたくないと言った。作業をしているとおじいちゃんは屋根まで上ってきてあれこれとまたうるさく言うらしい。屋根に上れるんだったら自分でしろと彼らは思った。それでも何度も連絡してきた。嫌々ながらそのたびに彼らは行った。。。聞いてみれば、おじいちゃんの家に行くといつも、まず部屋でジュースを出してくれるそうだ。しばらく話してから作業が始まる。

ある晩、彼らの中の一人が言った。「僕たち若いし力があるから、こうやって破れた屋根にブルーシートを張ってきた。でも僕らがここに来た意味は違うんじゃないか。ほんとうは屋根じゃなくて、おじいちゃんの破れた心にブルーシートを張りに来ているんじゃないか」。

この時から、彼らはまた元気を取り戻して救援活動を続けて行ってくれた。

神田裕
こどものせかい・にじのひろば 5月号原稿(2006/05)

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