富山の薬売り
小さいときは尼崎にも薬を売りに来てはった。家に引き出し式の薬の箱が置いてあって定期的に入れ替えにきはる。名刺ぐらいの大きさの袋に入った薬が幾種類もあった。お腹痛の薬で確か「赤球」ってのがあったなぁ。うちはあまり薬を使わなかったから、薬を入れ替えにわざわざおじさんが家に来ても、赤玉ぐらいしか使ってなかった。子供心に「せっかく来てくれてはんねんからもうちょっと使ったったらええのに」って思ってた。。。急にそんなことを思い出したんは、、、日曜日のミサに早よから来てた高木のお姉さんに会ったからなんよ。。
「高木さん、おはよ~」
「あ、神父さん、おはようございます」
「今日はスカーフなんかして、えらいおしゃれしてるやん。。。えっ、あっ、でも、えらい食い込んでるでぇ。首絞まって窒息するでぇ。そんなにスカーフ締め付けんでも。。。」
「え、これ。大丈夫やぁ」
「高木さんは大丈夫かも知れんけど、横で見てたら心配やわぁ。」
「ところで、なんかえらい後ろはふくれてるなぁ。薬でもはいってるんかぁ。なんかセントバーナードみたいやなぁ。それ何なん?」
「これかぁ、これはなぁ、首を冷やしてるんやぁ」
「???氷でもいれてるん?」
「塩やぁ。。」
「塩?」
「はぁそぉや。塩を冷蔵庫で冷やして首に当ててるねん」
「あっ、ほんまや。伯方の塩や。そのままやんかぁ。なんかおかしいなぁ。笑ってしまうわぁ。袋に入れたままで効果あるん?」
「あるでぇ。アイスノンみたいなもんやぁ」
「ふーん。。。でも首絞まらんようにしぃや。はたで見てて気がきやないわぁ」
そない言うてるうちに、高木さんはスッと離れて向こうにいてはる人に、、、
「あんたどっかで見たことある人やなぁ。誰やったかいなぁ」
「あっ、高木さんですか。お久しぶりです」
「誰やったかいなぁ」
「私はミケランジェロです」
「ミケランジェロ?ミケランジェロ神父さんか?あぁ、そやったそやった。いやぁ~懐かしいなぁ。ほんで何でここにいてはるん?」
「休みでしばらく日本に戻ってきたんですよ」
ミケちゃんことミケランジェロ神父さんは今はローマで勉強中。夏休みで日本に来てますよぉ。
« トン・リン・ティエン・ルー | トップページ | 080729 カンボジアへ »
「たかとり教会」カテゴリの記事
- PCR検査ロボット開発(2020.06.03)
- 《 現在・過去・未来 ~たかとり20年~ 》(2015.01.02)
- 橋本文夫くんへ(2010.08.22)
- たかとり教会建築のパンフ(2009.06.01)
- 大黒柱(2009.03.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント