コロナ四旬節
新型コロナウィルスが猛威をふるってきました。イタリア、スペインなどヨーロッパの国々はすでに機能停止の状態が続き益々状況は酷くなってきています。地震や台風などにあって十分に自然災害の恐ろしさを知ってきた私たちのはずでした。こんな形での災害が起こるのは映画の世界なのだと思っていました。私たちが作り上げてきた世界はこんなにももろいものなのかとあらためて実感させられてしまいます。
灰の水曜日から始まった四旬節でしたが、その直後に大阪教区も主日などの公開ミサ中止を発表しました。初めての体験です。25年前の阪神淡路大震災の時に焼け跡の教会にいた私は、日曜日には雨に打たれながらも庭で皆とミサをし続けてきました。それが復興への大きな原動力となっていました。今回も、これを乗り越えるには、ミサに集って共に祈り交わり励まし合うことが必要なのですが、残念ながらそれができないでいます。
都市が封鎖されているイタリアでは、誰もいないバチカンで、サンピエトロ大聖堂の前の階段の上からフランシスコ教皇が一人で立ち、無人の広場に向かって、世界で苦しむ人々に向けて祝福を送り、祈られる姿に心打たれました。信仰によって不安を和らげるように呼びかけられました。
長い人生のうちには色んなことが起こるのだなとしみじみ思います。新年を迎えた時にはこのようなことが起こるなど夢にも考えていませんでした。いつ突然にどんな運命が訪れるのか誰にも分かりません。どんなに慎ましく生きていようが理不尽な出来事は起こってきます。力を合わせて立ち向かわねばと思っても集まることすらできないことも起こってきました。でも生きてゆきましょう。こんな時にこそ、たとえ小さくても、祈ることを忘れたくありません。ほら、耳を澄ませば聞こえてくるではないですか、希望へとつながる祈りが世界中から。ほら、見えてくるではないですか、世界中の人々とつながっていることが。
三田教会のみなさん、希望の祈りでつながっていましょうね。いつか日曜日のミサで、笑顔で出会える日を心から待ち望んでいます。
<新型コロナウイルス感染症に苦しむ世界のために祈りましょう>
希望のよりどころである神よ、
病に苦しむ人に必要な治療を与え、
医療に携わる人を感染から守り
亡くなった人を永遠のみ国に迎え入れてください 。
ともにいてくださるあなたに支えられ、
不安と混乱に襲われた世界が希望を取り戻すことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
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