11月に祈る
1日の諸聖人の日から11月が始まります。すべての聖人をたたえます。どうぞ今に生きる私たちを守り導いてくださいますようにと祈ります。そして2日の死者の日にすべてのキリスト者のために祈ります。今はこの世を去った人たちが神のみもとで安らかでありますようにと祈ります。こうやって私たちは過去に生きた人たちとの交信をします。もちろん今に生きる人たちのためにも祈ります。キリストにおいて結ばれているものは時間も空間も越えて一つの家族です。信仰宣言の中の聖徒の交わりのことです。この地球上のどこにいても、未来には地球以外の惑星に暮らす人も、そして亡くなって地上の生を終えた人も、すべて一つの家族。そう考えると大家族ですよね。一体全体何人家族になるのでしょうか。そう考えると私のいのちはちっぽけだけど、過去も現在も未来も祈りでつながれば大家族で、その中のいのちと考えると、ドデカイいのちになりますね。永遠という、時間も空間も越えたいのちの中で、祈ることは生きること生きていることそのものですね。
ところで、祈りと言えば、キリストが教えて下さった主の祈りがあります。英語では祈りの始まりはこうです。
Our Father who art in heaven,(天におられるわたしたちの父よ、)
hallowed be thy name.(み名が聖とされますように。)
このhallowedは聖とされるになりますので、諸聖人の日は英語でAll Hallows’(Saint’) Dayとなります。典礼ではその前晩(evening)からこの日が始まるので、例えばクリスマスの(前)晩はクリスマスイブ(Christmas Evening)となりますが、諸聖人の日の(前)晩はAll Hallows’ Eveningで、それを短縮してHalloweenとなります。そう、ハロウィンですね。
ハロウィンは、教会では祝いませんが、そのルーツは古代ケルトの人たちと言われています。彼らは11月から新年だったのでつまりは大晦日になります。年が変わると命の更新となり、この日は死者にまつわる祭りがあります。カトリックの典礼と歴史のどこかで交差しているのでしょうね。
ちなみに、マルティン・ルターはこの諸聖人の日の前日に、宗教改革のスタートを切りました。ですので10月31日は宗教改革記念日なのです。つまりプロテスタント教会の誕生日なのです。教会の歴史の中で教派としては分かれてしまいましたが、同じキリスト者として、同じドデカイ家族として、これからも祈りでつながって行きたいですね。
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