ルルドの水
2月11日は「ルルドの聖母」の記念日です。カトリック教会は、その日を「世界病者の日」と定めました。
ルルドと言えば「水」です。家庭祭壇にも容器に入れられて置いてありました。行かれた方にもらったようでした。病気になったとき飲めば治ると言われましたが、いつからこの水が置いてあるのだと思い、それよりも薬をと思っていました。
20年ほど前、教会の人たち何人かと一緒に、世話になったパリミッション会の神父さんを訪ねてフランスまで行ったことがありました。その時、足を延ばしてルルドまで行って一泊しました。大聖堂周辺では、容器を買って蛇口から「水」を入れて飲む人や持って帰る人、浴槽の「水」に体を浸して癒やしている人がいました。世界中から病を抱えた人々が来ていました。病に苦しんでいるのは私だけではないのだとの一体感も自分を強くすると思いました。それだけではなく、ホテルの中も、バスに乗る時も、車椅子で移動する時も、すべてがハンディを抱えた人たちのことを一番に考えて町がつくられていることに気がつきました。フランシスコ教皇の言う「野戦病院」とはルルドのことでもあると思いました。
それらしき容器に入れられた「水」はアマゾンで高値で売られていてびっくりしました。苦しいときは藁をもつかむ孤独な心理をくすぐっているのでしょうか、気をつけた方がよさそうです。病や障害を抱えても、孤独にならずにすむ社会があれば、アマゾンで買うこともないのではないでしょうか。
「ルルドの水」とは、祈りに支えられて、誰一人切り捨てられることのないまちづくりやひとづくりに、私たち一人一人が使命として関わることが、そのメッセージなのではないのかと思うのです。
20230201
三田教会 神田裕
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