神戸少年の町

2023年12月24日 (日)

未来へのチャレンジ

神戸少年の町が設立されて三四半世紀が経ちました。町の人たち、学校の人たち、教会の人たちなどなど多くの支援者の皆さんと、ここを卒業された多くの人たちに見守られながら、これまで歩んでくることができましたこと、心より感謝したします。そして、神戸少年の町で毎日子どもたちのそばに寄り添い、子どもたちの悩みを親身になって聞き、一緒に乗り越えてくれているスタッフの兄さん姉さんたちに、心から感謝いたします。

今年、神戸少年の町は、新たなチャレンジをすることになりました。神戸の震災から始まった多文化な活動の拠点へと出かけて行き、その“まちづくりひとづくり”に交わるため、児童家庭地域支援室を長田区の“カトリックたかとり教会”敷地内にある“たかとりコミュニティセンター”内に設けました。神戸にはたくさんの外国籍の方たちも暮らしています。そしてその子どもたちも益々多いです。普段からその支援活動に携わっている人たちのサポートができればとの思いです。

そして、未来へ向けては、神戸少年の町としては再チャレンジとなりますが、児童家庭支援センターを立ち上げる準備を始めました。地域社会の中に自ら飛び込み、子どもたちを取り巻く家庭や社会に積極的に深く関わって行きたいと思っています。

未来への新たなチャレンジへと動き出した神戸少年の町をこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

理事長 神田裕

 

2022年12月 1日 (木)

谷口剛義理事が退任されました。

神戸少年の町はもうすぐ75年を迎えようとしています。その歴史の中でも今はコロナによって子どもたちやスタッフたちは否応なく翻弄される日々が続いています。そんな中、コロナだけではないもう一つのエポックを迎えることとなりました。

谷口剛義理事が退任されました。1969年から神戸少年の町で活躍下さって以来、敷地内の建物でご家族と住まれながら、児童養護施設長および乳児院長を歴任して頂き、法人全体の常務理事などの重責も合わせて担って頂きました。気が付けば実に53年もの長きに渡り、神戸少年の町の熱き魂として存在し続けて下さいました。温かく人間味あふれる神戸少年の町の魅力は、谷口氏の愛情いっぱいの感性や素朴な手作り感がもたらしたものであることは間違いないでしょう。

神戸少年の町は新しいエポックに入ります。これから未来へ向けてあり方や姿かたちは変わって行くことでしょう。ただ谷口氏が残してこられた熱き魂はこれからも神戸少年の町にとって忘れることのない大切な魂として受け継がれて行くことでしょう。
感謝を込めて。

2022年クリスマス
神戸少年の町
理事長 神田裕

2021年12月 1日 (水)

しおやの風

塩屋の山間にある神戸少年の町の一番てっぺんに、祈りの場である聖堂があります。朝早くからこの聖堂に子どもたちもスタッフも一同に集まり、祈ることから一日が始まりました。しかし時は流れて、聖堂は古くなり、物置と化して、共に祈ることもなくなってしまいました。地震では持ち堪えたものの3年前の台風では壊滅状態となり、とうとう解体せざるを得なくなりました。

聖堂の跡地に立って周りを眺めると、六甲山系の西端が見え、海を越えては淡路島が見え、目を閉じれば、しおやの風が吹いています。時に心地よく時に厳しく、この風は75年間、祈りと共に子どもたちの上に吹き、頑張れよと励まし続けてきてくれました。

祈りはとても大切です。形式的なもののことを言うのではなく、子どもたちの成長を心から願うスタッフたちの毎日の働きは祈りそのものです。子どもたちを通して、家族を知り、社会を知り、そして与えられたいのちの大切さを、祈りを通して深く知って行きます。

ここはこれからも、しおやの風に励まされながら、心からの祈りの場所であり続けて行くことでしょう。父と子と聖霊とともに。


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2019年12月25日 (水)

誰のために生きているのか

「何のために生きているかに焦点を当てて考えるのは、それほど大切ではありません。肝心なのは、誰のために生きているのかということです。」と、来日したフランシスコ教皇が若者たちに向けて言葉をかけられました。誰も孤独にはさせない、人生の共有の大切さのことでした。神戸少年の町のこどもたち一人ひとりに「誰のために生きているの?」と聞いてみたいですね。
スタッフの兄さん姉さんたちや支援して下さっている方々には日頃からこどもたち一人ひとりのことを愛情いっぱいに大切に関わって下さりほんとうにありがとうございます。きっと「誰のために生きているのか」こどもたち自身の人生の問いかけに希望を与えるものとなることでしょう。
施設長として理事長として長きに渡ってこどもたちのために働いてくださった神林宏和神父さまが5月に帰天されました。生涯をかけて「誰のために生きているのか」の大切さを示してくださった神父さまに心から感謝いたします。

理事長 神田裕

2018年12月25日 (火)

少年の町はクリスマス

クリスマスの12月25日はイエスの誕生日!ではなくて?イエスの誕生を記念する日です。喜びの日のはずなのですが、実は一年で一番夜が長くて暗くて寒くて、最悪の日なのです。なんでわざわざこんな日に。教会で飾られているイエスの誕生のシーンはなんと、馬小屋。うぶぎに包まれて寝かされているのはお布団ではなくて飼葉(かいば)桶(おけ)、最悪です。喜びの日のはずなのに。でもちょっと待って。馬がご飯を食べる飼葉桶はどこにいてもいつも帰っていくところ。立ち帰る場所、故郷(ふるさと)、そして少年の町。闇から始まる人生のスタート。その闇が大きい時こそ光への憧れは強くなる。自分の闇を本当に知るものこそ光を知ることができる。明るいところでは光を見ることができないからね。そんなこと言われてもなかなか自分で見つけられない。でも心配しなくていい!ここには一緒に光を見つめてくれる力強い兄さん姉さんたちがいる!そして何よりも、神さまがいつもみんなをあたたかくまもってくださっている。

理事長 神田裕

2017年12月25日 (月)

ご挨拶

今から20数年前、スペインから神戸に、子どもたちのサーカス団がやってきました。ベンポスタ子ども共和国という名のボーイズタウンからです。こどもたちだけで「国」をつくってしまうのです。自活のために世界中でサーカスをして生活しています。サーカスのテーマは「強いものが下に、弱いものが上に。子どもはてっぺんに」です。さて、神戸の子どもたちはどういうテーマで「町」をつくってゆくのでしょうか。楽しみですね!
みなさま、初めまして。今年6月から、前任の神林宏和神父様からバトンタッチを仰せつかりました神田と言います。どうぞよろしくお願いいたします。

理事長 神田裕